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NZ園芸農業関連組織、園芸作物輸出に関する報告書を公表(ニュージーランド)

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最終更新日:2019年2月21日

 ニュージーランド(NZ)の輸出マーケティング戦略の企画・立案などを行うNZ園芸農業輸出機構およびそれを実施するホーティカルチャーNZは、NZの園芸作物の輸出と、それに影響を及ぼす輸入先の関税などの貿易障壁に関する報告書を公表した。なお、同報告書は2年に1回公表される。

園芸作物輸出額は継続して増加

 報告書によると、2017/18年度(7月〜翌6月)のNZの園芸作物輸出額は、36億2000万NZドル(2787億4000万円:1NZドル=77円、2015/16年度比7.6%増)と増加した(図)。中でも、EUが最大の輸出先であり、2012年を除き2004年以降、その地位を維持している。成長率でEUを凌ぐ勢いで拡大している中国が第2位の輸出先となり、日本は第3位に転落した。その他、豪州や米国が主な輸出先となっている。
 総じてアジアは、その経済規模や経済成長率の高さから輸出先として有望視されており、実際にトップ20の中にアジア12カ国が入っている。

 NZで生産される園芸作物の約6割が輸出されている。NZでは、生産者が農地を集積するなど大規模化が進むと同時に、自ら選果や出荷、輸出まで手掛けるなど、川上からの垂直統合が進展している。たまねぎを例に挙げると、2016年のたまねぎ農家戸数は95戸、総作付面積は4895ヘクタールであったが、2018年には同91戸、同5225ヘクタールとなった。
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TPP11協定の発効により日本への輸出量、増加か

 同報告書では、輸出の現状に加え、輸出拡大に影響を及ぼす貿易障壁について言及している。
 17/18年度のNZの園芸作物輸出に係る関税支払総額は、2億1400万NZドル(164億7800万円、15/16年度比12.6%増)となった。NZは、すでに韓国、中国、台湾、香港、豪州、タイ、マレーシア、シンガポール、ASEANとFTAを締結しており、これらの国では関税水準低下の効果が表れてきており、園芸作物の輸出は継続的に増加している。一方で、韓国については、園芸作物の輸出額に対する関税支払総額の割合が、NZの全貿易相手の中で2番目に大きく、FTAを締結していながら、関税負担の大きい例外的な国と位置づけられている。また、インドは、NZ産の園芸作物の輸入に際して平均40%の高関税を課しているが、輸出額が小さいためさほど影響はないとしている。

 日本については、2018年12月30日のTPP11協定(CPTPP)の発効により、発効前に園芸作物に課されていた平均6.3%の関税は低下するため、関税支払額は最大80%、額にして3500万NZドル(26億9500万円)削減されると見通している。ホーティカルチャーNZは、日本の関税率の低下はNZの園芸作物の輸出に大きな後押しになるとしている。
日本のNZからの野菜輸入量はここ数年間10万台で推移しており、このうち生鮮野菜が8割を占めており、かぼちゃが5万トン、たまねぎが2万トンとなっている。
 NZ産のかぼちゃは、南半球で季節が日本と逆という特性を生かし、日本でかぼちゃの生産がほとんどない2〜5月に多く輸入されている。今回のTPP11協定の発効により、発効前に課されていたかぼちゃのWTO譲許税率3%が即時撤廃されたため、今後の輸出動向に注視する必要がある。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:青沼悠平)
Tel:03-3583-4389